今年も無事に全件の確定申告書を提出し終わりました!
弊社では社内の申告書作成期限が2月末と非常に早い(キビシイ・・・)為、
2月1日から1ヵ月全力で、申告書づくりにをしてきました。
関与先の皆様の早期の資料準備のご協力のもと、過去最速ペースで申告書が
完成しました。心より感謝申し上げます。
さて、毎年この時期に確定申告の説明に併せて相続税対策のお話をすることが
多いです。相続税対策の手法としては、いろいろとあるのですが簡単な対策と
しては、現預金の生前贈与です。現預金の生前贈与は、財産の移転コストも少
なく(振込手数料ぐらい)、年々積み重ねていけば大きな効果がでてきます。
贈与額が、贈与税の基礎控除(110万円)以下の場合は贈与税の申告も必要
ないので、我々税理士が関与してない方でも簡単に贈与できます。
ただ、我々税理士が関与していない場合、相続時に税務調査で生前贈与を否認
されるケースがあるので注意です。
調査官「毎年、100万円ずつお孫さん口座へ振込みされていますが何でしょうか?」
遺族 「毎年、贈与していました。基礎控除以下なので問題ないですよね。」
調査官「・・・」
調査官「お孫さんは現在、遠方にお住まいですね。」
遺族 「はい、東京に住んでいます。」
調査官「こちらの大阪のご自宅でお住まいになったことはありますか?」
遺族 「いいえ、ありません。」
調査官「お孫さんの口座は、被相続人と同じお近くの支店の口座ですね。
通帳や印鑑も、こちらのご自宅にありますね。
管理は被相続人がされていたようですし、これは名義預金ですね。
相続財産になりますので、修正申告をしてください。」
遺族 「・・・」
民法549条(贈与)
贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意志を表示し、
相手方が受託することによって、その契約を生ずる。
つまり、贈与者の「あげる」意志と、受増者が「もらった」意志の双方が合意
して成り立ちます。そして、受贈者はもらったら、お金は自分のもなので、自
由に使えますよね
上記の事例は、
贈与したとする、預金の管理状況から見て、贈与の意志合意も不明確なので
贈与は成立せず、名義預金と指摘される典型的な事例です。
遺族に詳しく事情を聴くと
「お金を、本当にわたすと無駄遣いするかもしれない。」
「進学時などお金が必要なときに渡すつもりだった。」
「贈与税の基礎控除以下だからだ問題ないと思った。」
とおっしゃることがあります。
これを私は「あげたつもり預金」と呼んでいます。
あげたつもり預金にならないように注意しましょう。
「あげた預金」となる為の注意点は、また後日
税理士 呉羽 範行