こんにちは!9月に入社した新入社員の平田です。
8月まで大原簿記専門学校で相続税法の講師をしていました。
今後とも宜しくお願い致します。
現行の相続税の優遇措置には、小規模宅地等の特例という規定があります。
被相続人等が使用していた宅地等がある場合、一定の要件を満たすことによ
り宅地等の価額を減額することができます。
この小規模宅地等の特例規定に、特定居住用宅地等というものがあります。
特定居住用宅地等とは、240㎡までの地積について80%の減額をする
ことができるというものです。適用要件については、配偶者・同居親族・別
居親族・生計一親族により異なりますので、生前に適用要件の把握はしてお
きたいところです。
この特定居住用宅地等は、平成25年度税制改正により改正されることに
なりました。
今回はその内容についてご紹介していきます。
●限度面積の拡大
現行の特例規定では、240㎡までの地積について減額をすることができ
ますが、改正後は330㎡まで拡大されます。
(適用開始:平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産)
●二世帯住宅の条件緩和
現行の特例規定では、内部で行き来ができる家屋については、同居してい
るものとされ適用できますが、内部で行き来ができない家屋については、被
相続人宅の敷地部分のみしか適用できないという構造上の要件があります。
今回の改正により、この構造上の要件が撤廃され、内部で行き来ができな
い家屋についても同居しているものとされ適用できることになります。
(適用開始;平成26年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産)
●老人ホームへの入所により空家となっていた場合の条件緩和
現行の特例規定では、以下の4つの要件があります。
① 被相続人が介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所するこ
ととなったものと認められること。
② 被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われて
いたこと。
③ 入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供してい
ないこと。
④ その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親
族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたもの
でないこと。
今回の改正により、要件が以下の2つとなります。
① 介護が必要なために入所したものであること。
② 入所後、家屋を貸付等の用途に供していないこと。
(適用開始;平成26年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産)
相続税の増税が行われる改正をご存知の方もおられると思いますが、その
中でもこの小規模宅地等の改正は減税改正となります。
是非活用して、相続税の節税をしていきましょう。
平田 竜二