今後改正される可能性が高い制度の見直し案を2点ご紹介していき
ます。
【損益通算】
所得税法上、譲渡損失と他の所得とで損益通算が可能ですが、「生
活に通常必要でない資産」に係る譲渡損失については、損益通算の対
象とはなりません。
その「生活に通常必要でない資産」の範囲について、「主として趣
味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産」追加さ
れます。具体的には、ゴルフ会員権やリゾート会員権が該当します。
現行、ゴルフ会員権等の譲渡損失は、損益通算は可能ですが、平成
26年以降に行うゴルフ会員権等の譲渡からは、損益通算が不可にな
る可能性が高いかもしれません。
【相続財産を譲渡した場合の取得費】
所得税法、譲渡所得は、土地等や建物を売った金額から取得費と譲
渡費用を差し引いて計算されます。
その取得費について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例規定
があります。
現行、相続により取得をした土地等を相続税の申告期限の翌日から
3年以内に譲渡をすれば、土地等を譲渡した人にかかった相続税額の
うち、その者が相続や遺贈で取得したすべての土地等に対応する額を、
取得費に加算することができます。
その特例規定の見直しが行われ、平成26年以降、加算できる額が、
譲渡した土地等に対応する相続税額しか取得費に加算することができ
ないよう改正される可能性があります。
上記2点の改正は、どちらも増税となる改正です。現行の制度を使
うのであれば、今月中…約1ヶ月の間に適用できるよう準備をしてお
いた方がよいかもしれません。
平田 竜二